監督就任は「俺がやるしかない」と思った
―まずは監督に就任して2カ月が経ちますが、現在のチーム状況をどう見ていますか?
「監督としては就任して勝てない時期があって、そこから一つ勝って波に乗れたというか、連勝が続いていったので、本当に1試合1試合無我夢中でやって来たという感じですね。フロンターレに負けて(5月8日のJ1・1st第11節・1●3)、1回リセットをして、もう1回しっかりとチーム作りをしていきたいと思います。勢いで勝てていた部分もあったので、きちんと見つめ直していこうと考えています」
―連勝が止まったことで気付かされた部分などはありましたか?
「『こういうふうにチームを作っていきたい』とベースがありながらも、少しそれとは違う方向で勝ち進んでいったというのがあったので、もう1回選手も含めて、見直したいなというのはありますね」
―それにしても監督就任は突然のことでした。決断まではどれくらいの時間があったのでしょうか?
「監督就任の話が来たときは考える間もなく、『俺がやるしかない』と思いました」
―就任した際には『ACL出場』という目標を掲げました。選手たちには具体的にどんな言葉を掛けたのですか?
「まず、(ミルトン・メンデス前監督が辞任した3月12日のJ1・1st第3節・磐田戦の)翌日に練習試合があって、そこが監督としてのスタートの日でした。その日のミーティングで選手を全員集めて、『ACLで優勝したい』と。『そのためにはACLに出ないといけないので、その目標に向けたチーム作りをしたい』という話をしました。サッカーの中身に関しては、4つのモメント(局面)があると考えています。『攻撃』、『守備』、『攻撃から守備』、『守備から攻撃』というサッカーのサイクルについて説明をして、そこにもう一つ、5つ目のモメントがあるとメンデスさんは言っていました。それがセットプレー。僕もそこにすごく賛同していて、これらの5つの局面がサッカーの中では大事なんです。だからその局面ごとに選手たちには自分がどういうことをしたいのかということを説明していきました」
―柏U-18時代の教え子など、互いを知っているという関係は指揮を執る上でアドバンテージになっていますか?
「これがまったく違う、知らないチームでいきなり指揮を執るのと、自分のことも知ってもらえていて、自分も選手たちのことをよく知っているという間柄で指導をスタートできたのはアドバンテージだったと思います。もちろんユース時代の教え子をトップチームで指揮するのは少し変な感じはありましたが、それは今シーズンの最初、ヘッドコーチになったときのほうが強かったですね。でも、レイソルというクラブは本当にアカデミーとトップチームに垣根がなくて、アカデミーの選手も頻繁にトップチームの練習に参加しますし、ピアノ(レイソルの食堂)で食事もとっています。僕もアカデミーのスタッフのときにトップチームに上がった選手とも普通に話をして、『どうだ』とか『頑張っているのか』という話はよくしていました。だからそのとき、そのときで立場はお互いに変わってはいますけど、ずっと近くにはいるので、そこで急に関係が変わった印象はないですね」
―練習前に選手一人ひとりと握手しているのが印象的でしたが、どんな意図があるのですか?
「あれはメンデスさんがやっていたんですよ。メンデスさんのコミュニケーションで、必ず全選手と握手して、コミュニケーションを取って、そこからちょっとミーティングで話をして…。それを僕が『すごく良いな』と思ったので、継続しています。握手をすることで選手の顔色もよく分かるし、コンディションなども含めて、どことなく伝わるものがあったりします。そこで一言、二言かわすだけで、お互いのコミュニケーションがグッと近く感じるようになるので、それは本当に良いことだと思っています」
―メンデス監督時代と言えば伊東選手をSBとして起用していました。U-23日本代表にも選ばれた彼の起用方法については?
「いろいろな見方があると思いますが、本質的には、SBのタイプではないかなと僕は思います。攻撃的なポジションで点を取ったりしているのを見るとそう思います。ただ、一列前で起用したとしても守備のタスクはあります。これから代表に定着するとか、もう一つ上のレベルの選手になるためには、そういうことを学んでいかないといけないと思います」