エキサイティングな一戦。勝者には勢いが、敗者には落胆が
互いに特徴を出し合った、攻守の切り替えが速いエキサイティングな一戦だった。だからこそ勝者には勢いが、敗者には落胆が与えられる。そのドラマが劇的であればあるほど、喜びと失望のコントラストも大きくなるモノだ。
両チームの積極的な姿勢が、試合の流れを二転三転させた。まずは名古屋。立ち上がりからペースをつかんだのは鹿島だったが、数シーズンぶりにトップ下を務めた田口が攻撃のテンポを上げ、中央で奪ってのショートカウンターから決定機につなげていく。46分にはその田口が圧巻の先制点。自らのチャンスメークから、最後はGK曽ケ端も動けない無回転のミドルシュートを突き刺してみせる。
主将の一撃で勢いに乗る名古屋。56分にはFKのクイックリスタートからカウンター返しを受けて同点ゴールを許してしまうが、攻めの姿勢を崩さずに流れを引き戻す。66分、田口のCKに飛び込んだのは竹内。「(今季は)セットプレーからの得点が少なかったし、常に貢献したい気持ちは持っていた」と気迫の一撃を叩き込んで名古屋が再びリードを奪う。
しかし、ここから鹿島がチームの底力を見せる。3点目を狙いながら攻め切れない名古屋に対し、途中出場の土居や永木を中心として圧力を強めると、86分には永木のクロスに鈴木が飛び込んで同点。そして足の止まり始めていた名古屋のスキを、鹿島は逃さなかった。後半ロスタイム、土居のスルーパスに反応したのはカイオ。GKとの1対1を制し、劣勢をはね返す劇的な逆転弾を突き刺してみせた。
これで鹿島は暫定2位に浮上。ナビスコカップの敗退から中2日、加えて代表招集や負傷で複数の主力選手を欠くなど、多くの苦境を乗り切って得たこの勝ち方だからこそ、ただの1勝ではない。ショッキングな敗北を喫した名古屋に対し、鹿島がステージ優勝に向けて大きな“勢い”を手にした。(村本 裕太)