ゲームの入り方には成功しチャンスも作った。しかし、その時間帯で決められなかったことが響き、勝ち点1に留まってしまった。ただ「負けなかったことは決して悪いことではない」と試合後に風間監督が語ったように、負けてもおかしくない試合だっただけに“勝ち点1をもぎ取った”と形容できるゲームでもあった。優勝を狙うチームとしては下位相手からは『3』を取っておきたかったというのが本音だが、けが人も多く18日のナビスコカップからアウェイの連戦となったことを考えれば、及第点の結果と捉えて良い。
重要な局面で引き分けるどころか敗北を喫して、幾度も自らの首を絞めてきた歴史が川崎Fにはある。そう考えると、この時点で優勝争いに踏みとどまれている点はポジティブに捉えることができ、“最低でも勝ち点1”を取れるチームになってきているのは大きい。そして、それを可能にしているのがGKチョン・ソンリョンの存在であることを、この日、再確認させられた。
新潟が放った7本のシュートのうち、決定的なモノは4本。しかし、セットプレーや1対1、意表を突くフリックなど異なるパターンで強襲してきた相手のシュートをチョン・ソンリョンは的確なポジショニングとセービングではじき続けた。86分に訪れたこの日最大のピンチと言える指宿との1対1も、「(指宿の)コントロールを見て、前に出るのをやめた。相手のタイミングに合わせて勝負をした」と絶妙な駆け引きで相手のシュートミスを誘った。
「1本止めても次のシュートが来るし、何が起こるか分からない。だからいつも冷静に」。チームの方向性とは逆にある強い守備のマインドを持つ彼が、これまでの川崎Fになかった“しぶとさ”という要素を加えてくれている。だからこそ、チームはそれに報いる結果を出さなければいけない。(竹中 玲央奈)