前半は愛媛が圧倒も、チャンスを決め切れず
「決めるところを決めたチームが勝つのがサッカー」と内田はうなだれた。愛媛は多くのチャンスを築いたが、「やっぱりチャンスを外し過ぎ」(木山監督)。逆転負けの結末は自らが招いたモノでもあった。前半の愛媛はアグレッシブなサッカーを展開して岡山を圧倒しながら、1点のリードしか奪えなかった。そして後半、同点に追い付かれる直前には瀬沼が、決勝点を奪われる直前には小島が、ペナルティーエリア内で決定的な場面を迎えている。「決めていれば勝てる試合だった」(木山監督)だけに痛恨の敗戦だが、「選手たちに拍手を送りたい」と、木山監督は決してうつむくことなくCスタをあとにした。
一方、勝利した岡山の長澤監督は「前半を忘れるなよ」と選手たちを戒めていた。矢島と加地が不在の中で後手に回った前半は、セカンドボールを拾えずに押し込まれ、打開策を見いだせないままハーフタイム突入間際にゴールをこじ開けられた。戦術的な原因よりも「自分たちの覇気のなさが原因」(赤嶺)だった前半は、大いに反省しなければならない。
しかし、後半に盛り返していった反発力、修正力は評価されるべき。54分にピッチに入った藤本が前線でアグレッシブに動いて流れを引き寄せていくと、62分に片山のスローインを起点に複数人が連動して、最後は田中奏がヘディングで押し込んだ。そして、85分には片山のロングスローを赤嶺が直接ヘディングで叩き込む。飛び道具が炸裂し、岡山は今季初の逆転勝ちを収めた。
愛媛は中3日で今節に臨んでおり、「コンディションの差があった」(木山監督)ことは確か。アドバンテージは岡山にあったが、劣勢の試合をひっくり返す力をホームで発揮できたことは今後の自信につながっていくだろう。殊勲の片山は「逆転して勝つという景色を、ホームのスタジアムでみんなと共有できたことはすごく良かった」とさわやかな笑顔を浮かべていた。(寺田 弘幸)