冨樫監督の決断が、試合の流れを変える
9試合勝ち星がない東京Vに対して、清水も3戦未勝利。8年ぶりに“オリジナル10”の両チームが相対した試合は、互いの現状を踏まえると、内容よりも結果が求められる一戦だった。
そういった状況で先手を取ったのは清水。「ゲームの入りは良かった」と小林監督が振り返るとおり、相手のシステムとのミスマッチを突き、サイドを起点に攻撃。6分には高い位置で相手のボールを奪取した白崎が、大前とのパス交換から左足を振り抜き、幸先良く先制点を奪う。
ただ、ここで畳み掛けられなかったことが、東京Vを落ち着かせる要因となった。「(失点後に)相手が勢いを持ってくる感じではなかったので、時間とともに慣れてきた感覚はあった」と井林。失点直後にピンチはあったがシュートミスに助けられると、清水が自ら主導権を手放したことで、流れはホームに傾き始める。
そして、この状況を加速させたのが冨樫監督の決断だ。39分にけがを抱えていた南を代え、井上を投入。機能不全を起こしていた[4-1-4-1]のシステムを早期にあきらめ、基本形の[4-4-2]に戻すことで攻守に改善を施した。すると、44分に安在のチャンスメークから高木大が得点。「あそこから僕らのペースになった」と高木大が言うように、その後は勢いに乗り、前半ロスタイムには高木善が追加点を奪い、一気に形勢を逆転させた。
後半は守備に奔走するホームチームに対して、清水は最後まで猛攻をしかけたが、ゴール前の精度を欠き決め切ることができず。結果的には高木兄弟のアベック弾で東京Vが逆転勝利。トンネルから抜け出す10試合ぶりの勝ち点3を手にした。(林 遼平)