Photo: Getty Images
トータルスコア2-2。アウェイゴール差で上海上港が準々決勝進出
試合をとおして脱却できなかった守勢の流れ
その瞬間、地鳴りのような歓声に上海体育場が揺れた。時計の針は90分をちょうど過ぎたところだった。ゴール前に雪崩のように攻め込む上海上港。ペナルティーエリア外側でボールを受けたエウケソンが、右足を振り抜く。この日、再三のビッグセーブでチームを助けてきたGK秋元がこのシュートも止める。しかし、はじいたボールは中国代表のウー・レイの前に。FC東京のベスト8進出を打ち砕く決勝弾が、無情にも後半ロスタイムに決まってしまった。
第1戦(2◯1)で見せた積極的な守備。そんな理想が通用するアウェイ戦ではなかった。「相手の1点に対する気迫はものすごいモノがあった」(水沼)。前半から攻めに出てきた上海上港に対して、FC東京は完全に受けに回ってしまった。序盤はFC東京の組織的な守備が機能していた時間もあった。中盤の選手たちがしっかり守備陣の前で防波堤を作り、パスコースも限定。後方の選手たちは放り込まれたボールをはね返すことに専念できていた。
しかし、徐々に上海上港の個の能力が火を吹いた。広州恒大時代にACL優勝を経験しているコンカは、第1戦以上の出来を見せ、キープ力や突破といった個人の力でFC東京の守備に綻びを作っていく。サイドで猛威を振るったのはウー・レイ。幾度となく左サイドを突破し、対面した橋本を子供扱いしていた。
FC東京は耐えていた。エウケソンやウー・レイが迎えた決定機は秋元が防ぎ、さらに加勢を受けても森重を中心とするDF陣が粘り強く守った。惜しむらくは、51分の場面。前田がGKと1対1となったが、シュートを止められた。「チャンスがなかったわけではない」(水沼)。それでも、試合をとおして脱却できなかった守勢の流れ。「最後の最後でそのツケが来てしまった」(羽生)。FC東京はアウェイゴールを挙げることができず、守備も決壊。不本意にも、アジアでの歩みは8強目前で終わってしまった。(西川結城)