鉄人・北本の面目躍如だ。屈強なフィジカルで最終ラインに君臨した背番号4は名古屋のアタッカー陣をことごとくつぶしていく。ボールを持てば果敢に前に出し、崩さぬポジショニングでスルーパスの壁となった。先制弾は同じ“控え組”として練習時間の多くを過ごしてきた中坂が決めた。「すごくうれしい。僕たちはなかなか試合に出るチャンスがなく、居残り練習をずっとやってきた」(北本)。育まれた反骨心は、歓喜の屋台骨だった。
神戸が3年連続となるノックアウトステージ進出を遂げた。一昨季に初の予選突破を果たして以来、3年連続となる。高橋峻は「一つひとつの積み重ね」を強調し、三原も「予選突破するのは簡単ではない。チームとして素晴らしい」と受け止める。ただ、選手たちの脳裏には昨季の苦い記憶もあった。クラブ初のベスト4で鹿島相手に2戦合計で2-6の完敗。石津は「自分は鹿島戦でやらかした。リベンジです」と決定機逸の悔恨を払しょくする機会を早くも待ちわびた。
ネルシーニョ体制2年目の今季は、昨季に続いてナビスコカップでも基本的にベストメンバーで戦ったが、ナビスコカップ第5節・甲府戦(2○0)は出場機会の少ない選手を起用し、見事な快勝を収めた。「チーム力がついてきた」と北本は確かな進歩を実感する。一昨季、怒涛の4連勝でクラブ初の予選突破を果たし、昨季はベスト4と着実に階段を上ってきた。北本は「地に足をつけて良い準備をするだけ」と話し、険しさを増すけもの道の踏破をストイックな眼差しで睨んだ。(小野慶太)