Photos: Norio Rokukawa
このグループステージで最も印象的だったことは、初戦の横浜FM戦(0△0)後にGK新井が口にした言葉だ。「若い選手やひさびさに出る選手がもっと『俺が決めてやる』という気持ちを持ってやらないと。嘉人さん(大久保)みたいな選手がもっと出てこないと。嘉人さんがけがをしたときにそういう選手が試合を決めないといけないと思うので」。悲観する内容ではなく、自身も好セーブを見せた直後に放ったこの発言は強烈だった。リーグ戦でメンバーに入れない選手たちはまだまだ甘い――。そんなメッセージがあるように感じられた。
その、“メンバーに入れない選手”を中心に川崎Fはナビスコカップを戦ってきたが、それは「チームの力を上げていくという意味ではすごく大事な大会」と語る風間監督の考えゆえ。そして6試合を戦った中で、最後のこの仙台戦が「一番良かった」(風間監督)。自信を持って自らのプレーを遂行した選手たちの姿からは、先の新井の言葉にあったような“俺がやってやる”という思いがあふれていた。プロ入り後初となる1試合2得点を記録した大塚は若きころから評価されてきたシュートセンスの高さを発揮し、三好は得点こそ奪えなかったが、ゴールへの姿勢を人一倍出していた。長谷川も攻守に豊富な運動量を発揮し、中野の迷いない仕掛けも、やや詰まる場面こそあったが効果的だった。ひさびさの公式戦出場となったGK安藤や、川崎Fデビューを果たした板倉の気持ちの入ったプレーも見逃せない。
もちろん、このメンバーが中村や小林、大久保らがいるトップチームに入って遜色ないプレーをやり続けられるかは分からない。ただ、そこに割って入っていくためにまず必要となる“大きな自信”を、この試合で彼らが得たことは間違いない。(竹中玲央奈)