■サガン鳥栖
浮沈を左右する大一番。ここで攻撃の質向上を
5月29日の1st第14節・浦和戦(0△0)同様の比重では意味がない。浦和対策で5バック気味に戦った結果、無失点という収穫は得たが、代償として「守備一辺倒になってしまっては攻撃が機能しない」(林)状況に陥った。今節の相手、神戸は前線の個の力は強烈だが、戦い方自体はオーソドックスな[4-4-2]。浦和戦ほど割り切った戦い方にはならないはずだ。だからこそ、「ここを基盤に、攻撃の質をどれだけ上げていけるか」(林)が課題だろう。リーグワーストの7得点、5試合連続無得点という状況が示すように得点できなければ勝てない。そのためにもチームとしてうまく攻撃への比重を傾けることが必要だ。
ここで勝ち点3を得ることができれば、14位まで順位を上げることができる。浦和戦のなりふり構わない戦い方でつかんだ勝ち点1を意味あるものにするためにも、神戸からの勝ち点3奪取は絶対だ。浦和戦でペク・ソンドンが負傷したが、トゥーロン国際大会に参加していたU-23日本代表から、鎌田、三丸が戻ってくる。今節に出場できる見込みなのは明るい材料だ。不可抗力でここに組み込まれた延期試合だが、鳥栖のいま、そして、今後を考えても浮沈を左右するシーズン前半戦の大一番であるのは間違いない。(杉山文宣)
■ヴィッセル神戸
いま一度共通理解を深め、組織的守備から良い攻撃へ
神戸のオーガナイズは前線からのプレスが始点だ。ボランチは相手ボランチを抑え、最終ラインはボランチの背後をケアするアグレッシブな守備が求められるが、前線のプレスが精度を欠けば相手は良い形で前にボールを出せる状態となり、ボランチも最終ラインも“裏のスペース”のリスクが増大する。前線のプレスが外されても、後方が個人戦術でリスクを負ってケアする選択肢も確かにあるが、リスクとイコールの関係にあるアグレッシブな動きを誰かが選択したのなら、そのリスクは個人ではなくチーム全体で負ったリスクだと捉えることが大切だ。5月29日の1st第14節・大宮戦(2△2)では相手のポゼッションの後手に回ったが、これを特定のポジションやエリアの問題と捉えては組織力は高まらない。グループ戦術の課題としていま一度、共通理解を深めたい。
今節はペドロ・ジュニオールが累積警告で出場停止となるが、上位に食らい付くためにも必勝を期す一戦となる。大宮戦でJ初得点を飾った小林成豪は「負けられない。得点した良い流れで戦いたい」と意気込みを語り、ブロック攻略のけん引役となる石津も「うまくコンビネーションを組めたら」と闘志を見せる。組織的な守備を確立し、良い攻撃につなげたい。(小野慶太)