Photo: Norio Rokukawa
「自分がやりたいサッカーではない」
決勝点となるオウンゴールを献上してしまった小川大は図らずとも守備的に成らざるを得なかった試合をこう悔やんだ。磐田はよく守っていた。特に後半は圧倒的にボールを支配されながら、川崎Fの猛攻をしのいだ。それは試合後のゴール裏から湧き上がったコールの大きさが物語っている。ただ、その磐田の守備を川崎Fは上回った。
試合後、磐田の選手たちは首位チームの強さを実感していた。「攻撃時に5つ、6つのオプションがある。そういうところは学ばないと」とジェイが話せば、「ボールを取れない。全員が出して動くことをやってくるので、そこについていくのは疲れるし、ああいう積み重ねが僕のオウンゴールにつながったと言っても過言ではない」と小川大は振り返る。日本代表に初招集された小林祐希も「ボールを奪ったあとの迫力も向こうにはすごくあった。首位を狙うチームってこういうチームなんだなと思った」と力の差を認めた。
川崎Fの攻撃はシンプルだ。一人ひとりがフリーになるために動き、怖がらずに積極的に顔を出してボールを受けてゴールに向かう。言葉で言うのは簡単だが実行するのはとても難しい。ただ、このプレーを連続することで攻撃の突破口が生まれる。それが磐田の選手たちが感じた川崎Fの強さだろう。
そして今季はそうした川崎Fのサッカーをできる選手が増えた。この試合では代表招集されている大島の代わりをエドゥアルド・ネットが務め、負傷した奈良の穴を谷口が埋めた。大塚など途中出場した選手も攻撃を活性化させ、各々の持ち味を発揮した。選手層が厚くなり、けが人や離脱者が出ても自分たちのサッカーを体現することができていることがこの位置にい続けられる大きな要因となっている。(竹中玲央奈)