指摘されるべきは強化部の見とおしの甘さ
待望のサッカー専用スタジアムが稼働した記念すべきシーズンに、G大阪は取り返しのつかない失態を犯した。「ACLは今季最もプライオリティーが高い大会」と遠藤が開幕前に口にした言葉はクラブと選手、そしてサポーターにとって共通の思いだった。
昨季はJリーグ勢唯一のベスト4進出を果たし、2度目のアジア制覇を現実的な目標に定めた大阪の雄だったが、結果はグループステージ敗退。1勝も挙げることなく、2分4敗というあまりにも低調な成績で大会に早過ぎる別れを告げた。
グループステージ敗退後、長谷川監督は「前線がチャンスを逃がし過ぎた」とパトリックの低調なパフォーマンスを嘆いた。やはりスタートダッシュに失敗した昨季のACLの二の舞は踏まん、と指揮官はACL重視のローテーションを実施。リーグ序盤戦で長沢が1トップを務めたのは、「パトリックを万全でACLに臨ませる」(長谷川監督)ためだった。勝ち切るチャンスは十分にあった第2節のメルボルン・ビクトリー戦(1△1)ではそのパトリックが不発。グループステージ突破の可能性を残していた第5節の水原三星戦(1●2)では宇佐美がPKを失敗。確かに前線の低調なパフォーマンスは痛手だった。しかし、それ以上に指摘されるべきはCBの層の薄さを軽視した強化部の見とおしの甘さだった。
今季はキャンプ中から岩下と西野が別メニュー調整で、今野をCBで起用せざるを得ない状況だったが、それに加えて丹羽もリーグ戦の開幕戦(鹿島戦・0●1)で鎖骨を骨折し長期離脱。長谷川監督は「シーズン序盤はスクランブル体勢で乗り切る」と語ったが、第3CBのキム・ジョンヤと、長谷川体制ではCB起用されてこなかった今野によるコンビで乗り切れるほど、昨今のACLは甘くはなかった。「うまくチームが回れば、(優勝を)狙える」と今季の補強に手ごたえを口にしていた指揮官だったが、結果はクラブ史上のみならずJリーグ勢としては今季ワーストとなる勝ち点2での早期敗退だった。(下薗昌記)