相手のセットプレーに沈んだJ1・1st第14節・FC東京戦(0●1)で今季初の3連勝こそ逃したものの、磐田戦(J1・1st第12節・2○1)以降チームは明らかに立ち直りの兆しを見せ始めている。
復調の要因となっているのが岩下の戦線復帰だ。CB陣に苦しいやり繰りを強いられたシーズン序盤、岩下を欠いた最終ラインは明らかに個の強さを欠いていた。磐田戦ではアダイウトンと激しく競り合い、頭を強打。しかし、その後もピッチに立ち続けた闘将は「球際で戦わないといけないことをああいうプレーで見せたかった」とプレーに秘めた思いを口にした。昨季も岩下は幾度となく果敢な守備でチームを救った。いかに組織立った守備戦術を志向しようとも、ペナルティーエリア内では個の対応力が問われるのがCBというポジションだ。「最後のところで体を張って粘るのが自分の持ち味」と胸を張った背番号8の復帰で、G大阪は本来の守備の安定感を取り戻しつつあるのは間違いない。
さらに、岩下復帰による効果は攻撃面にも表れている。ビルドアップもままならず、最終ラインで“各駅停車”さながらのぎこちないパス回しを続けていた序盤戦とは異なり、ダイレクトパスやリスク覚悟の強気な縦パスがチームに本来のリズムを取り戻させた。「敬輔くん(岩下)がいると、攻撃のスタートポジションが高くなる」と宇佐美が話せば、安易なバックパスが目立っていた藤春も「敬輔くんのところから前線に(パスが)入ると攻撃が全然違ってくるし、僕も良い形で生かしてもらっている」と語る。
「出遅れたぶん、自分の持ち味を出してチームの勝利に貢献したい」(岩下)。昨年末に手術した右ひざの状態と、早くも出場停止にリーチがかかっている警告の多さが懸念材料ではあるが、この男が安定稼働さえすれば、G大阪に大崩れはないはずだ。(下薗昌記)