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焦点は、本田圭佑が不在の中、どんな攻撃ユニットが組まれるかである。本田が抜けた右サイドの第一候補は小林悠。川崎Fでは2トップ以外にサイドもこなしているだけに、最適な人選か。さらに若手の浅野拓磨も練習ではこの位置で試されている。
ただ、指揮官の口ぶりや評価からしても、この男の存在を無視することはできない。「(いまの代表のサッカーは)本田や香川(真司)、清武(弘嗣)がカギとなっている」。日本を背負う二人の看板選手とともに名前が出たのが、清武。「真司とキヨ(清武)、二人がボールを奪う規律を覚えたら、同時に使いたい」とまで言わしめるほど、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督の評価は高い。
これまでも試合途中に『トップ下・香川&左サイド・清武』という形は試されたことがあった。「ザッケローニ監督の時代は真司くんが左サイドをやっていた。トップ下とサイドを流動的に入れ替わりながらプレーすることはできる」と、清武も香川との競演をイメージする。
本職はトップ下ながら、ロンドン五輪やザックジャパンでは右サイドで器用にプレーしていた。今回、仮に左サイドに宇佐美貴史、トップ下に香川、そして右サイドに小林悠や原口を起用するとなると、突破や裏への飛び出しが得意なアタッカーばかりとなる。そこで、変化と違いを生む存在が、清武である。「1対1の守備、デュエルは日頃から意識している。そこができれば、真司くんと一緒に出られる。一緒の試合は貴重だから楽しみ。だからこそ結果も残さないと」。
ドイツではサイドやボランチなどチームの黒子役としてプレーする日本人が多い中で、堂々味方を生かす主役級のプレーを見せている。中田英寿や中村俊輔以来となる、司令塔タイプの覚醒。サイド、中央と動いては、的確なスルーパスを通す。清武が攻撃を司るとき、それは本田や香川だけに頼らない、新たな日本の姿が見られることを意味する。(西川結城)