清水に前節・群馬戦で8得点を挙げた面影はなかった。それを消し去ったのは、水戸のコンパクトでアグレッシブな守備だ。そして、その守備を体現する原動力となったのが、前日(3日)に行われたブルガリア代表戦で快勝を収めた日本代表の守備だった。「日本代表はすごくラインが高くて、良い守備ができていた。これだけラインを高く保てば、(良い)試合運びができるんだなと再確認できた。なので、試合前に最終ラインの選手に『今日はラインを上げていくから』と伝えた」とディフェンスリーダーの細川は説明した。
“ハイライン・ハイプレス”は水戸サッカーの生命線だが、前線に大前やチョン・テセといった強烈な個を擁するチームと対戦する場合、「後ろは重くなりがち」(石神)になる。しかし、細川を中心に勇気を持ってラインを高く保って対応したことによって、清水の攻撃を封じ込めることができた。90分間で清水に放たれたシュートはわずか3本。前半は自陣でのミスからピンチを招くこともあったが、後半は清水にチャンスすら作らせなかった。
良い守備ができたことによって、良い攻撃も見られた。両サイドから果敢に攻め立て、清水ゴールに迫った。しかし、最後の精度を欠き、得点できないまま試合は終了。内容で圧倒しながらも引き分けで終わったことは悔やまれるが、自分たちのスタンスを徹底して得た勝ち点1の持つ意義は決して小さくない。(佐藤拓也)