序盤、讃岐はC大阪に圧倒されたが、15分に扇原のファウルで得たFKでチャンスを迎えたあたりから勇気を取り戻すと、積極的に奪いに行く姿勢を強める。前半途中からはボールもしっかりつなぐが、フィニッシュには持ち込めず、前半はシュート1本に終わった。
「自信を持ってボール、人を動かしてシュートまでいこう」。ハーフタイムに北野監督に鼓舞されて迎えた後半、讃岐はより縦への意識を強め、スペースへの連動したランニングを増やすと、崩した形でクロスからシュートまで持って行く回数が一気に増えた。77分と80分のクロスからの得点は、自分たちを信じてやり続けた結果だった。その後、前節・水戸戦(1△1)と同じく後半ロスタイムに同点に追い付かれる展開となるが、直後に鋭いカウンターから西のゴールで振り切った。
劇的な結末を迎えたこの試合は讃岐にとってJ2通算100試合目のメモリアルマッチだった。試合後、「そんな思い入れのある試合ではない」と意に介す様子のなかった指揮官だが、「メディアでは(今節について)ウチが引いて守って一撃必殺という見方もあったが、ウチもボールを持てるし、やろうと思えばできることも見せられた」と語気を強めた。早い時間帯での失点により、攻撃姿勢を強め易い状況になったこともあるが今季、取り組み続けてきた堅守速攻からの“進化”への高い志が、節目の試合で結果となって表れたことは偶然ではない。「進むべき道は間違っていない」。今節の劇的な逆転勝利は、讃岐に関わるすべての人たちに対する、サッカーの神様からのそんなメッセージが込められたご褒美だったのかも知れない。(小田尚史)