どちらも最後まで攻め合ったが、それでも試合終了時に歓喜の声が鳴り響くことはなかった。「(今季)初めてPKを奪取するような攻撃の形、また(前半)終了間際にあった、クロスがゴール前を横切るような形などを出せた。良い前半だったと思う」と冨樫監督が振り返るように、前半に好機を演出したのは東京V。前線の2トップをターゲットとしたロングボールだけでなく、杉本と安在のコンビネーションが冴え、左サイドを中心に攻撃を繰り出していく。先制点も安在のパスから。前線で受けたドウグラス・ヴィエイラが巧みなボールさばきでボールを持ち出すと、ペナルティーエリア内で阿部に倒されPKを奪取。このPKを中後が沈めて、前半終了間際に東京Vが先制に成功した。
しかし、このリードを守り切れないところが、今季の東京Vを象徴している。後半の立ち上がり49分に、スローインの流れから最後はグラウンダーのクロスを阿部に決められて同点。試合は振り出しに戻ることとなった。
その後は徐々にオープンな展開になり、終盤は両チームのゴール前を行き交う場面が増えていく。だが、後半ロスタイムにあった東京Vの平本、岐阜の瀧谷が迎えた決定機は、互いに決め切ることができず。どちらにとっても「引き分けにふさわしい結果」(井林)で、最低限の勝ち点1を持ち帰った。(林遼平)