前半の5点で勝負を決めた熊本。74日ぶりにカモンロッソが響き渡る
ゴールショーの幕を開けたのは、先発に復帰した平繁だ。記録上は1分となっているが、実際はキックオフからわずか20秒あまり。片山が左から入れたクロスのこぼれを嶋田が拾うと、深い位置からマイナスのラストパス。これを受けた平繁が落ち着いて決めた。さらに熊本の攻勢は続く。9分、再び左へ展開した攻撃から得たFKを清武が直接決め2-0。さらに31分にも平繁がこの日自身2点目、36分には左CKからキム・テヨン、そして44分に黒木と、前半で大量5点を奪う。「多くのサポーターの皆さんの後押しがこの得点につながったと思う」と清川監督は語ったが、前節の岡山戦(1●2)で表現できなかった部分、すなわち選手同士の関わりやコンビネーションを発揮できたことが、前半の大量リードにつながった。
一方、金沢はまたも立ち上がりの失点で早々にビハインドを負う展開となった。後半からは前線にアン・ビョンジュンを投入して中盤の並びを変え、セカンドボールを拾えるようになったことで流れを引き寄せた。しかし、5点差をひっくり返すには至らず反撃も2点止まり。「相手も強い気持ちできていたが、それ以前に自分たちが戦う土俵に立てていなかった」と、11年から12年に熊本に在籍した廣井は振り返った。
熊本の勝利は3月26日のJ2第5節・長崎戦(2◯0)以来、実に74日ぶりで、5得点は今季最多。地震後初となる九州開催の試合で勝ち点3をつかみ取った。もっとも、シュート数では金沢を下回り、チャンスの数も決して多くはなく、失点が続いているという課題も依然として残っている。とはいえ、「勝てたことが何より良かった」という岡本の言葉は、熊本に関わるすべての人の偽らざる本音。再スタートを切った熊本は、ここから再浮上を目指す。(井芹貴志)