■横浜F・マリノス
勝利への最短距離は守備に軸足を置くこと
勝つためにやるべきことは明確だ。 1トップとして攻撃をけん引する役目を担う伊藤でさえ「まずは守らないと。我慢の戦いになるのは分かっている。とにかく徹底すること」と言葉を発した。ここまでリーグトップの得点数を誇る川崎Fに対して、横浜FMは守備に軸足を置いて戦う。それが勝ち点3への最短距離とチームの誰もが理解している。
共通理解の根拠は、過去の成功体験にある。昨季の2nd第15節で対戦した際は、圧倒的にボールを持たれて劣勢を強いられた。それでもディフェンスラインを中心に耐久力を発揮し、セットプレーから挙げた虎の子の1点を守り切って勝利。試合後、小林祐三は「ポゼッションで負けてもゲームで勝つことが大事」と話し、最大目標である勝ち点3を手に入れた。
守備を統率する中澤は「ブロックを作った守備だけだと好き放題ボールを回されてしまう」と警鐘を鳴らした。課題は守備をどの位置からスタートさせるか。8日の練習では川崎Fのダブルボランチをケアするために喜田をトップ下に置く布陣もテストしたが、最終的には中村が定位置に収まりそうだ。ボールを持たれたとしても、ある程度は制限をかけたい。
オフェンス面ではセットプレーとカウンターを有効活用したい。中村を起点とするセットプレーは破壊力抜群で、齋藤や遠藤といったスピードあるドリブラーがカウンターの急先鋒だ。少ないチャンスを生かして先制点を奪えればゲームを優位に進められる。
いずれにせよ横浜FMは守備に軸足を置いて戦う。栗原は「フロンターレ戦に関しては色気付かなくてもいい。バラバラになったらやられるし、チームとして戦いたい」と語気を強めた。相手が前傾姿勢で攻めてくることは明白。それに対して横浜FMが選ぶ手段はただ一つ。とにかく守り勝つのみだ。(藤井雅彦)
■川崎フロンターレ
勝利への最短距離は攻撃的なサッカーを貫くこと
川崎Fはチームとして2週間ぶりの公式戦となる。試合がなかった5日のナビスコカップでグループステージ敗退が決まってしまったが、ピッチの上でそのショックを味わうことを避けられたことは、ポジティブに捉えても良い。「この1週間でうまく休養できたし、良い練習の時間も取れた。自分たちも自信を持ってこの試合に臨めるし、残り3試合も自信を持って戦える」とはエドゥアルド。チームの視線は完全にリーグ戦へと向けられている。とはいえ、残り3試合すべてに目を向けるのではなく、あくまでも次に来る1試合に全力を注ぐスタンスは変わらない。開幕した当初からこの意識を持って戦い、リーグ戦ではわずか1敗に留まっているのだから、いまさらその姿勢を変える必要もない。それはチームが講じるサッカーにも当てハマる。主導権を握り、高い技術で相手の穴を突きゴールを目指す攻撃的なゲームを90分間繰り広げるのみだ。
ただ、今節の相手はそう簡単に白星を挙げられる相手ではない。“堅守”を武器に歴史を積み上げてきた横浜FMが持つ耐久力はJリーグでも随一。加えて、中村俊輔のセットプレーという一撃必殺の武器も併せ持つ。中村憲剛も「俊さん(中村俊輔)という良いキッカーがいるし、分かっていても決められるチームが多い。セットプレーは流れもいっさい関係ない」と警戒を強める。谷口や車屋をはじめとした守備陣も、“いかにファウルを与えないか”というところを共通認識として持っていた。
ただ、自分たちが主導権を持って押し込み、相手へ安易にボールを渡さなければ、相手の脅威であるセットプレーも最小限に留めることができる。相手のストロングポイントを封じるためには自分たちのやるべきことを最大限に発揮すること。これが勝利への最短距離だ。(竹中玲央奈)