成功体験はチームを大きく成長させる。
「うまくいっていないと思った人もいたと思うけど、ボールを持っていたのは僕たちなので。そこで焦れて変に難しい縦パスを入れるのではなく、取りに来ないのならばああいうふうに回していけば良い」(小林悠)。
川崎Fは前半、ボールを持ちながらも中央を突破できず、左右に揺さぶりながら機をうかがう場面が長く続いていた。“持たされていた”という見方もできるだろう。だが、ピッチ内の選手にそういう考えはなかった。その理由は「そうやって勝ってきたから」(中村憲剛)に尽きる。うまくいかずに慌てて攻め急ぐことで自滅する場面が今季は極端に減った。守備陣の奮闘も要因の一つだが、慌てず丁寧にしっかりとやれば得点が生まれる、ということをこれまでのリーグ戦で証明していることが大きい。「自信があるし、つないでいるから落ち着けているというのもある」とは大久保の弁。やり続ければ点が入るという確信をこれまでの戦いで養ってきたからこそ、変に慌てることがなくなった。
そして、その自信は守備にも見られる。後半は長く相手にボールを持たせる時間が続いたが、“耐える時間”と割り切って、次に来る好機を待った。その姿勢が功を奏して、2点目につながっている。「自分たちが後ろでしっかり固めれば良い形が自然と生まれる」とエドゥアルドは口にしたが、これまで苦しいゲームを最小限の失点や無失点で抑えてきた経験が、苦しい展開もポジティブに捉えられる要因となっている。
攻撃と守備、両面で自信をつけて結果に結び付けられるいまの川崎Fは強い。ただ、それを周囲に認めさせるには残りの2戦でも結果を出さなければいけない。(竹中 玲央奈)