ダブルワンツーからセレスキーの決勝点で開幕戦以来の完封勝利
直前の公式戦、ナビスコカップ第7節で新潟に4-2で勝った福岡を相手に、前からの圧力や攻撃力を恐れ過ぎることが懸念された甲府だが、始まってみると残留争い中の両チームの一戦はバランスの取れた戦いになった。主導権は風上の福岡が握ったが、その攻撃は甲府が前節・鹿島戦(0●4)でやられた、守備ブロックの間に入り込んでクサビを入れてくる攻撃ではなく、ロングボールをウェリントンに当てるだけでサポートも少なかった。効果があったのは左サイドを起点とするクロスに右から城後が飛び込んで来る形だったが、クロスの精度がいま一つだった。甲府はボールを持たせる余裕がある展開だったが、攻撃ではカウンターがケアされて前半のシュートは2本だけ。しかし、そのうちの1本がミラクルだった。42分、ビリー・セレスキーがドリブルで持ち上がり、チュカとのワンツーで浮いたボールを頭で稲垣に出し、それを稲垣が右足アウトで再度セレスキーに戻す。このダブルワンツーで福岡守備陣が後手に回り、セレスキーが加入後初ゴール。甲府が3試合ぶりの先制点を得た。
福岡は後半に平井、邦本、坂田を投入して攻撃の圧力を高める。風上の甲府が風をうまく使えない攻撃に終始し、福岡がロングスローを生かして攻め立てる流れになったが、福岡は決定機を作るまでには至らず。守備一辺倒になっていた甲府だが、この日は両ウイングバックが守備の1対1でほとんど勝利していたことに加え、稲垣をシャドーに入れて前線の守備力が高まったことで12本のシュートを打たれても決定的な場面は数本。開幕戦以来の無失点勝利で、『2』にまで迫られていた最下位・福岡との勝ち点差を『5』に広げることに成功した。(松尾潤)