6分のCK、富山が矢のような速いボールを送ると、これに豊田が飛び込む。「この試合のために準備した形」(マッシモ・フィッカデンティ監督)というサインプレーから鳥栖が決勝点をもぎ取った。
5試合未勝利の名古屋は[4-4-2]でスタートしたものの、まったくゴールに向かえない状況が続く。継続してきた前からのプレスも影を潜め、自陣深くでボールを奪っても、全体が間延びする中でボールをつなぐことができない。追加点の決定機を生かせない鳥栖にも助けられながら、後半には[4-2-3-1]に戻して前掛かり気味に攻勢をかけたものの、決定機は数えるほどだった。名古屋は全体の戦い方を共有できずに、まるでバラバラだった前半を終えると客席からはブーイング。リーグ6戦未勝利となった試合終了後にも大ブーイングを聞くこととなってしまった。
6試合無得点中だった鳥栖は、“ゴール欠乏症”を脱してリーグ7試合ぶりの歓喜。低調な名古屋から追加点を奪えず終盤にピンチを招くなど、試合運びに課題を残したが、そこは選手が一番理解している。85分にこの日最大の危機を救ったGK林は「結果が出たことは良かった」としつつ、「上位のチームはそこ(決定機)をまとめ上げてくる」と、勝って兜の緒を締めていた。(村本裕太)