互いに消極的な戦いだった。群馬は、前節・北九州戦(3◯0)でハットトリックの瀬川を軸にカウンターを狙うが、守備ブロックが安定せずに高い位置でボールを奪えない。拙攻を繰り返すうちに熊本にリズムを譲りわたすと、じわじわと追い込まれていく。前半の2度のピンチは、熊本のシュートがポストにはじかれて難を逃れた。だがスコアレスで折り返した52分、熊本・黒木にミドルレンジから強烈なシュートを決められ0-1とされる。
群馬にとって幸いだったのは、熊本がゲームをクローズしようとしたこと。清川監督は、前線の人数を一枚削り、[5-4-1]の守備的布陣で虎の子の1点を守りにいく。群馬は、サイドを封じられたことで攻撃が手詰まりになったが、熊本がカウンター一辺倒になったことで、クロスを入れ放題となっていく。
群馬の猛攻が、結実したのは後半ロスタイムだった。松下のクロスを小林がゴール前で合わせてゴールネットを揺らす。熊本の選手たちは、ひざから崩れ落ち、群馬の選手たちは歓喜に沸いた。
前半に消極的な戦いを演じた群馬と、先制後に積極性を放棄した熊本。清川監督が「1点を守ろうとしたが全体的に下がり過ぎた」と悔やめば、服部監督は「同点に追い付けたが、勝ち点3を取るチャンスもあった」と複雑な表情を見せた。両者の戦いぶりからみれば、1-1の引き分けは妥当な結果だった。(伊藤 寿学)