キックオフ後にどんどん雨足が強まっていく中、2位・松本と3位・岡山は手堅く試合を進めていった。ボールが空中を行き来する時間が多く、激しい肉弾戦が繰り広げられ、プレーが切れると互いに時間をかけてボールをセット。「20分くらいでセットプレーでどちらかだな(勝負が決まる)と分かった」と反町監督が語れば、岡山のプレースキッカー・伊藤も「今日の試合はセットプレーで点が動くと思っていた」と語ったとおり、勝敗を分けたのはセットプレーだった。
前半終了間際に岡山がCKを獲得すると、伊藤の蹴ったボールが逆サイドに流れ、これを拾った矢島が中央に送り込む。このボールはGKシュミット・ダニエルがキャッチしたが、主審は飯田が岩政の進路を妨害したとしてPKを宣告。これを矢島が冷静に決めて岡山が先制点を挙げた。後半は矢島が攻撃を推進する岡山がペースをつかみ、57分に伊藤の蹴ったCKを澤口が合わせてリードを広げた。
「3試合連続でセットプレーからやられたのはかなりダメージが大きかった」(反町監督)。前節・札幌戦(3○2)はセットプレーから2失点して追い付かれながらも突き放すパワーを見せた松本だが、今節は反発力を発揮できない。73分には飯尾のクロスを巧みに胸でトラップしてシュートに持ち込んだ高崎のゴールで1点差に迫ったが、その後は岡山の守備陣を慌てさせることができなかった。
松本のお株を奪うかのようにセットプレーでアドバンテージを生み出して上位対決を制した岡山。開幕前から力を入れてきたセットプレーは着実に成果を挙げており、全29得点の半分近い14得点を記録している。好キッカーの伊藤とストロングヘッダーの岩政を擁す岡山が、自動昇格圏に浮上した。(寺田 弘幸)