岩政が「自分たちの殻を破れる試合」と捉えて臨んだ一戦だった。昨季に長澤体制となってから一度も成し遂げられていない3連勝を懸け、勝ち点3を奪えば自力で自動昇格圏に浮上するシュチュエーションで迎えた今節。自分たちにも周囲にも本当の意味でJ1を目指していく意思表明をするため、勝つことでしか得られない自信、評価が必要だった。
だからこそ、気力と体力の勝負となった雨中の決戦を、チーム一丸となって制した達成感は大きい。「みんな口にしてなくてもこの試合に懸ける思いは強かったし、ピッチでもその思いを表現できた。ベンチに入れないメンバーも含めて、みんなでこの3連勝を取れたことは本当に大きい」。試合後に充実感を浮かべた伊藤。だが、「次の1週間が本当に大事」と、すぐに次節を睨むことも忘れなかった。
岩政はもっと冷静だ。岡山のクラブの歴史と自分たちが目指している高みを踏まえ、これから障害が多くなることを分かっている。
「ここに来るまではそんなに難しくなくて、ほかのチームにもできるし、ウチもこうやってできた。だけど、ここからはもっともっと多くのことが絡んできて、勝ったり負けたりがある中で自分たちにいろいろなものが降りかかってくる。このクラブがまだ到達したことのない経験をこれからしなくてはいけなくなる。ここからが本当の勝負」
次のステージへと向かうということは、自分たちで殻を破って次々とクラブの歴史を更新していくということ。岡山はこれから未知の領域に入っていくが、岩政、加地ら百戦錬磨のベテランのいるチームは浮足立っておらず、長澤監督も「選手たちにはまだまだやれるだろう」と発破をかけている。
まずは次節の金沢戦。J2で8年目のシーズンを過ごす岡山が一度も成し遂げたことがない4連勝という殻を破る作業が待ち受けている。 ( 寺田 弘幸)