仙台が好調だ。今季初めての逆転勝ちで、2年ぶりの4連勝を達成。人数をかけて守る甲府を崩して2ゴールを決めた。この日はチームトップの3得点を挙げている渡部が出場停止で、ウイルソンや金園、金久保、菅井といった選手たちも欠場したが、相手を崩すことができた。
4月にはリーグ戦でまったく勝てない時期を経験し、複数得点も1st第8節・神戸戦(2△2)で初めて記録した。渡邉監督の下では、堅い守備から多様な攻撃を繰り出す“堅守賢攻”を目標とし、今季は「特に攻撃面にフォーカスする」(渡邉監督)チーム作りをしてきただけに、4月まではもどかしい状況が続いていた。
それが、5月のリーグ戦では3勝1分1敗の成績を収め、6月になっても勢い止まらない。一体、何が変わったのか。
実は、ベースとなるものは変わっていない。渡邉監督は不調時にも「ボールを“握る”ための基本は、粘り強く落とし込んでいる」と繰り返しており、取り組んできたことがようやく花開きつつあると言える。
もちろん、前の試合のフィードバックであったり、相手の対策を行うために少しずつ新しい形を混ぜたり、ということはしている。しかし、サイドで多くの選手が関わる攻撃や、クロスに飛び込む選手のバリエーションを増やすトレーニングは、基本的には同じものが続いている。そこに、けがで欠場していたリャン・ヨンギらが戻り、成功体験による自信が加わった。また、苦しい時期に出番を得てチームを支えた若手選手も、その経験を糧に少しずつ選手層に厚みを加えている。
磨いてきたクロス攻撃からのゴールが4試合連続で決まるなど成果が出ている反面、「縦パスからのコンビネーションの精度を上げたい」(奥埜)、「クロスもまだまだ質を上げないと」(蜂須賀)と、選手たちの向上心は尽きることがない。
成長はしているが、まだまだ、この先も仙台の攻撃は磨かれる。 ( 板垣 晴朗)