Photo:Atsushi Tokumaru
あっという間の失点。FC東京は猛追も勝ち越せず
一瞬、選手たちもスタジアムも時が止まった。
23分、FC東京のGK秋元が自陣ペナルティーエリア内でボールをキャッチ。スローイングしようとするも、コースが見付からずしばらくボールを抱えていた。すると、主審がホイッスルを鳴らし、ファウルの宣告。6秒以内にボールを手放さないといけないというルールに抵触したという判定だった。
厳密にはルールに反していただろうが、このルールはもはや形骸化しているものでもある。世界を見渡しても適用される場面は少なく、暗黙の了解でプレーが進められているのが実状。それだけに、秋元やFC東京の選手も不可解な表情で抗議した。しかし、そこにスキがあった。そのスキを突いた新潟は、山崎が素早く秋元からボールを奪いリスタート。パスを受けた成岡はあっけにとられて足が止まるFC東京の選手をよそに、無人のゴールに蹴り込んだ。
FC東京がその後、感情的になってゴールに向かうことは想像に難くなかった。特に後半に入ると、前線の平山とムリキに加え、途中出場のネイサン・バーンズも加勢し新潟ゴールに迫る。そして54分、ムリキのパスを受けた平山が左足を一閃。同点に追い付いた。
さらに畳み掛けるFC東京。負傷から復帰した中島、さらにはベンチスタートの前田と、アタッカー陣を連続投入していく。新潟もオープンな展開の中で、長身の指宿とパワーあふれる鈴木の前線2枚をピッチに送り出した。しかし、両者ともに結局最後まで勝ち越し点を奪うことはできず。「試合をコントロールできなかった」(吉田監督)、「勝てた試合だった」(城福監督)と、お互い消化不良な結末となった。(西川 結城)