■鹿島アントラーズ
最大のポイントは出場停止の昌子、カイオの代役
2位だった先週までとは違いマスコミ各社が連日のようにクラブハウスに押し寄せる。この1週間で雰囲気は激変した。川崎Fの足を重くした重圧が今度は鹿島にのしかかる。
ただ、選手たちは至って冷静だ。昨季のナビスコカップ制覇で得た自信はもちろんのこと、リハビリ中の内田篤人に加え、今週は大迫勇也も練習参加した効果は大きい。彼らと交わす何気ない会話が肩の荷を降ろし、力みがちな若い選手に笑顔をもたらす。中心選手として数々のタイトルをもたらした二人の存在が、選手を無駄なプレッシャーから守っている。ただし、先発の顔ぶれは変えざるを得ない。昌子とカイオが出場停止。代わりに誰がピッチに立つのかが今節の重要なポイントだ。
CBはファン・ソッコの出場が濃厚だ。開幕から長らく離脱していたが、5日のナビスコカップ第7節・大宮戦(0●1)で復帰。そのときは左SBでのプレーだったが、19日のサテライトリーグ・横浜FM戦(3○2)では左CBとして出場。高さではブエノだが、植田との連係は未知数。経験のあるファン・ソッコのほうがリスクは低い。よりメンバー選考が難しいのが左MF。中村がけがから復帰したがサテライトリーグにも出場できず、出場となればぶっつけ本番となる。このところハイテンションな試合に途中出場しても、すんなり試合に入れている杉本がその座を射止める可能性は高い。
前節、川崎Fに痛撃を加えた福岡の狙いは今節も変わらないだろう。ウェリントンに攻撃の起点を作らせないことが重要だ。あまり組んだことがない植田とファン・ソッコだけでは限界もあり、経験豊富な両SBがうまくCBをサポートしたい。
守備が安定すれば攻撃陣は好調。カイオの突破力がないのは痛いが、スペースを消す相手には、コンビネーションが使える杉本のほうが面白い。
1stステージ制覇へ向け、視界は良好だ。(田中 滋)
■アビスパ福岡
カシマスタジアムの戦績は1分9敗。“番狂わせ”を起こせるか
前節の川崎F戦(2△2)に続き1stステージ優勝が懸かった試合に挑む。前節はホームでの川崎Fの優勝を阻止し、チームのプライドを守った。とはいえ、2点を先行しながら追い付かれての引き分けは残留争いを考えれば痛恨だ。しかし、高いテンションを維持し、気持ちの入ったプレーをすることができれば川崎F相手でも引けをとらないことを証明した。井原監督も「そういうテンションを1試合でもやれたというのは次につながる」と前向きに捉えている。
福岡が意識しなければならないのは優勝阻止ではない。鹿島は仮に負けたとしても川崎Fの結果次第で優勝する可能性がある。しかし、福岡は違う。「自分たちは勝ち点3や勝ち点1を取らないとどんどん状況は厳しくなる」(城後)。勝ち点を取らなければ状況を変えられないのは福岡も同じ。他力ではなく自力でしかはい上がっていけない。
当然、首位と最下位の対戦で力の差はある。しかし、前節の川崎F戦では臆することのない気持ちの強さでその差を埋めることができた。「とにかく強気で、弱腰にならずに」と井原監督も選手たちにこの試合に臨む姿勢を説いている。「勝ち方を知っている」(井原監督)のが鹿島というチーム。スローインやFK、CKでのリスタート、ピッチ上でのあらゆる局面でスキを作らない、高い集中力が求められる。
福岡のカシマスタジアムでの戦績は1分9敗。いまだ勝利を挙げたことがない鬼門だ。しかし、1stステージの最下位が決まった福岡にとって、J1残留を果たすためには2ndステージでの巻き返しが必須。そのためにはここで勝って反撃への大きなエネルギーを作り出したい。昨季もJ2・3位チームはJ1昇格プレーオフで勝ち抜くことができないと言われたが、そのジンクスを覆してJ1の舞台をつかんだ。再び逆境を乗り越えて目標を達成するために、カシマスタジアムで初勝利を挙げたい。(杉山 文宣)