Photo: Atsushi Tokumaru
悪いなりに戦える。それがいまの鹿島
31,000人を超える観衆が、キックオフを待ち受ける。優勝に向けたボルテージが高まる中、先にペースをつかんだのはアウェイの福岡だった。「最初は全体的に硬かった」とゴールマウスを守る曽ケ端が振り返ったとおり、左サイドから何度もクロスを許してしまう。しかし、悪いなりに戦えるのがいまの鹿島。プレーが切れるたびに小笠原が「落ち着け」と指示を出すと、次第にペースを取り戻した。そこからは植田・ブエノのCBコンビが、巨漢FWウェリントンを封じる。セカンドボールも拾えてくると、27分に最初の歓喜が待っていた。
立役者は山本。1本目のCKでニアに飛び込み感触をつかむと、次はブエノに「ニアに行って」と指示。役目を入れ替え、自分はストーンの背後に走り込むと「ドンピシャだった」と、強烈なヘディングシュートを叩き込んだ。
37分には2度目の歓喜。速い攻撃から相手を押し込み、最後は右サイドを崩し切って土居が押し込みリードを広げた。
チームは試合前から「(1stステージ限りで退団する)青木とジネイを良い形で送り出そう」と一致団結していた。前半で2点をリードする狙いどおりの展開に、石井監督も「本当に選手たちの頑張りに感謝したい」と讃えていた。とはいえ、後半も簡単ではなかった。67分、平井と坂田を入れて前線の選手を増やした福岡の攻撃に少し戸惑いを見せる。運動量も落ち、慌ただしい展開が続くも、最後までゴール前は崩れなかった。
そして、後半ロスタイムに大歓声に包まれながらジネイと青木がピッチに立つ。ジネイはネットを揺らしたがオフサイドでゴールとはならなかった。しかし、二人を送り出す理想的な展開でゲームを締めくくった。
花火が打ち上がる中、歓喜に沸くカシマスタジアム。怒涛の6連勝を見せた鹿島が1stステージの激戦を制し、チャンピオンシップ出場権を獲得した。(田中 滋)