95分、FKのクリアを拾ったキム・テヨンが右足を振り抜く。88分から3点が生まれた乱打戦の結末は、スーパーなミドルシュートによって、熊本に勝ち点3が転がり込んだ。
主導権を握ったのは岐阜だった。43分に先制を許したものの、後半開始の瀧谷投入と同時にサイド攻撃の圧力を強めると、これが68分に結実。FKの流れから最後は田代の折り返しが相手に当たって軌道が変わり、そのままゴールに吸い込まれた。88分には個人の対応ミスから藏川に鮮やかな一撃を決められてしまうが、岐阜の気迫は衰えず、93分には執念の同点弾。
その後も3月以来のホーム戦勝利を目指し、勝ち点3を狙うことで意思を共有していた岐阜。だが、最終的には数々の決定機逸が尾を引き、個人レベルの対応の甘さからキム・テヨンに終了直前にゴールを決められ、涙を呑んだ。
劣勢の中、土壇場で追い付かれても前を向く熊本の戦いぶりは、確かな勢いを感じさせるものだった。震災による活動停止から復帰して以降、着実な歩みを見せてきた熊本は、これで4戦負けなしの2連勝。未消化分である5連戦の初戦を制し、連戦の残り4試合に向け、最高のスタートを切った。(村本 裕太)