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選考と結果を両立。リオに向けて勢いを得る
「壮行試合ではなく、強化試合」(手倉森誠監督)として位置付けた一戦は、五輪本大会メンバーの最終選考を兼ねた場でもあった。その中で、日本は勝利という結果も出して、本大会に向けた勢いを得た。
立ち上がりは南アフリカのペースだった。通常は[4-2-3-1]を基本として、ビルドアップから攻撃を組み立てていく南アフリカだが、この日はキックオフからほどなくして「日本の13番(中島)を押さえるため」(オーウェン・ダガマ監督)にボランチのデオリン・メコアがCBの間に下りて構える形を取った。実質3バックで前方に人数を掛けた南アフリカが序盤から日本を強襲し、メンジ・マスクとマフォサ・モディバのパス交換や、右サイドのタペロ・モレナの高速突破などで決定機を作っていった。
日本は植田直通やGK櫛引政敏の好プレーなどで耐えていたが、30分に亀川諒史が相手ロングボールを手で処理したとしてPKを献上。これをギフト・モトゥパに決められて先制を許した。
しかし日本はここで慌てず、「相手のストロングをしっかり受け止めて、ウィークを探りながらゲームを進めていったコントロール力」(手倉森監督)を発揮。全体が間延びしかけた時間帯もあったが、後方からの押し上げが効くようになると改善。個人任せの対応が目立つ南アフリカの守備に対して、ショートパス交換とドリブルで揺さぶり、日本は徐々に流れをつかんでいった。37分には浅野拓磨、矢島慎也、大島僚太とわたり、最後は「(大島と)目が合った」という中島翔哉が走り込んでゴール。45分には室屋成のクロスを矢島が決めて逆転し、さらにその1分後には浅野のクロスに中島が合わせて突き放した。
前半のうちに勝負をひっくり返した日本は、48分にも相手のミスを突いて浅野が追加点。残りの時間は余裕を持ってテストをしながら過ごすことができた。相手のコンディションが悪かったことを差し引いても、テストと勝利を両立させた、充実のメンバー発表前ラストマッチなった。(板垣晴朗)