熊本がついに“我が家”に帰る。うまかな・よかなスタジアムでのホームゲームは4月9日の第7節・山口戦(1●2)以来、実に約3カ月ぶり。この間、柏や神戸、そして鳥栖の協力を得て代替地でのホームゲームを戦ってきた選手たちは、特別な思いでこのピッチに足を踏み入れる。それと同じように、サポーターやスタッフ、そしてスポンサー、行政や施設の関係者など、多くの人がさまざまな思いを抱いて、その瞬間を迎えるのだろう。
ただ、安全確認の末、使用できるのはメインスタンドのみという制限が設けられることになった。スタジアムを管理・運営している一財団法人熊本県スポーツ振興事業団によれば、地震発生直後からその集積拠点となっていた支援物資の多くは搬出された。だが、バックスタンド側1階に設けられたスペースでは、隣接する益城町の住民(13世帯31人)が今なお、避難生活を送っているという。
つまりホーム試合開催もこうした方たちの理解があってこそ。具体的な予定はまだ固まっていないが、クラブとしては被災した方たちなどを今後のホームゲームに順次招待していく方針で、このC大阪戦ではまず、スタジアムに避難している方たちを招待することになっている。
熊本の池谷友良社長は「支援に対する感謝や熊本の元気を発信する機会にしたい」と話しており、他クラブから送られた寄せ書き入りのフラッグや、サポーターが掲げてくれたメッセージ入りの横断幕も、来場者の目に付くよう掲出する予定だ。
それでも、前述のとおり使用制限が設けられているため、できることには限りがある。今後の集客企画についても、県知事や熊本市長、スポンサー各社も、多数訪れるこのゲームを「やってみないと分からない」(マーケティング部長・古賀亮氏)のが実情。特別な一戦だが、だからこそ、「いつもどおり」(同氏)に臨む。(井芹 貴志)