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全力疾走。変わらないスタンス
昨季に広島でブレイクスルーを果たし、Jリーグのヤングプレーヤー賞を受賞。今年1月に行われたリオ五輪アジア最終予選では決勝で韓国を破る2ゴールを奪い、チームを優勝に導いた。6月のキリンカップでA代表にも招集され、浅野拓磨は日本中のサッカーファンから注目を集めるストライカーとなって五輪イヤーを迎えた。
しかし、ここまで浅野は危機感を持ちながら全力で突っ走ってきた。だから、18人のメンバーに選出されて浅野は「ホッとしていて、うれしいの一言です」と記者会見で初々しく語った。こぼした笑みからは達成感も滲んだが、記者の質問に応じていくうちに浅野はすぐに向上心の塊になっていった。「国際舞台の経験を今後にどう生かしていきたいか?」と問われると、「サッカー選手である以上、常に上を目指してやっていきたいと思うし、世界の舞台のほうがより高みを目指せるのであれば、いずれ僕もそういう環境でやらなくてはいけないと思う」と応じ、「国際試合はすごく自分のためになると思うし、感じるものもたくさんあると思う。1試合1試合を自分のプラスにできるように大切にしていかないといけない」と続けた。
その発言はすでにリオ五輪後を見据えているようだったが、「いまある環境で目の前のことに対して100%で頑張りたい」。地に足を付けて日々に全力を尽くす浅野のスタンスはいまも昔も変わらない。ギラギラと向上心をたぎらせながら、自信を持って目の前の試合に向かっていく。それは高校2年生で高校選手権の得点王になったときからの変わらないスタンスだ。広島に加入して試合に出場できず思い悩んだ日々もうつむかず、途中出場の役割を託されたことに満足することもなく、浅野は常に全力を注ぎ続けていきた。
リオのピッチも浅野は全力で駆け抜けるだろう。「裏への抜け出しだったり、駆け引きはどんな相手にも負けない」。ゴールを目指し、高みに向かい、浅野は走り続ける。(寺田 弘幸)