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「西ケ谷に感謝しないといけない」
試合後の会見で反町監督が口にした皮肉に満ちた言葉に、残念ながら反論の余地はなかった。反町監督が指摘したのは、同点に追い付いたあとの水戸の選手交代についてであった。
「1点取ったあとに水戸の選手たちが下を向いていたような感じだったので、いけるかなと思った。そして、追い付いたあとに水戸は二人を交代して、スキありだったね」
反町監督は得意げな表情で勝負の分かれ目をそう振り返った。
前半に2点を先制しながらも、後半、松本の変化に対応し切れずに2点を入れられ、同点に追い付かれてしまう。そこで西ケ谷監督は4バックから3バックに変更。それが裏目に出てしまった。前半は数的優位を作って打開できていたサイド攻撃が影を潜め、後手に回った。
さらにシステム変更の際に前半から相手に脅威を与え続けていた白井永地と湯澤をベンチに下げてしまったことにより、攻撃力が半減。水戸はチャンスを作り出せなくなってしまった。
2点差を追い付かれたとはいえ、その時点ではまだ同点。次の1点が勝敗を分けるという大事な局面で、水戸はトーンダウンしてしまい、松本の勢いをはね返せないまま、76分に逆転ゴールを決められてしまった。
2試合連続で2点のリードを守り切れず、勝利を手放す結果に。しかも、選手交代後に流れを悪くして失点する試合が続いている。昨季は幾度となく戦術知識に長けた西ケ谷監督の“策”がチームを救ったが、今季は流れを引き寄せる“策”をほとんど見せることができていない。むしろ、『策士、策に溺れる』印象が強い。
“ 策”に頼り過ぎて、自分たちのスタンスを出し切れないのでは本末転倒だ。あくまでスタンスを出し切るための“策”であることを思い出したい。 (佐藤 拓也)