強い雨が降ったことでキックオフが30分遅れたことと高い湿度も影響したのだろう、両チームともにピリッとしない中でのゲームとなった。守備ではボールへの寄せやスペースに対する警戒感が薄く、サイドアタックを簡単に許し、また攻撃の起点となるクサビのパスも容易に通されるという状況が続いた。かといって、有効な攻撃を構築できたかと言えば、人の動きが緩慢で変化にも欠けるため、ともに決定的なチャンスを作るには至らなかった。
そんな中、29分にスコアが動く。井上潮音が蹴った左CKをウェズレイが頭で落とすと、ゴール前の杉本が鋭く詰めて東京Vが先制した。結果的には、この先制ゴールをうまく利用して“勢い”を作り出せなかったこと、落ち込む北九州に追い打ちを掛けられない甘さが東京Vの敗因になったと言えるだろう。
逆に北九州はハーフタイムの柱谷監督の指示で最終ラインを上げてコンパクトな陣形に保ち、攻守の積極性を出そうと試みる中で生まれた“勢い”にうまく乗り切った。その勢いを直接的に作り出したのは原。54分に池元との連係で同点ゴールを決めると、2分後には右サイドの崩しからこぼれ球を豪快に蹴り込む逆転ゴール。この同点から逆転への“畳み掛け”によって、それ以降の攻守に積極性が出た北九州はそのまま逃げ切りに成功。今季初となる逆転勝利と連勝を果たした。(島田 徹)