両者のプランが狂ったのは、キックオフを迎える約3時間前のこと。16時過ぎに訪れた突然の豪雨により、長良川のピッチは大量の水を含むこととなった。試合開始時には止み切ったものの、水しぶきが上がるほどのピッチ状況から、両チームは無理にボールをつながないシンプルな戦いを徹底。前線にロングボールを蹴り込み、セカンドボール争いや球際の攻防、そしてセットプレーに熱を注いでいった。
試合が動いたのは後半。「前半は我慢」と決めていた京都の石丸監督が動く。前半は田代を中心とした岐阜守備陣の強さから圧力を掛け切れず、劣勢を招いていたものの、後半開始と同時にダニエル・ロビーニョを投入し、エスクデロを中盤に落とす布陣にシフト。すると、「前で起点を作る」という狙いが奏功する。54分、エスクデロのスルーパスを受けたロビーニョがゴールネットを揺らし、これが決勝点となった。
そして何より、悪天によるタフな激戦を通じて際立ったのが、京都の勝利への気迫だった。指揮官が「戦術的なことよりも選手たちが戦ってくれた」と称えたとおり、3連戦の3試合目という体力的なハンデを抱えながら、岐阜の攻勢に対して最後まで体を張り続け、総力戦で4試合ぶりの歓喜をつかみ取った。(村本 裕太)