■FC東京
痛快な勝利で、前節のイヤな空気を払しょくする
ムリキとネイサン・バーンズ。FC東京が直近の3試合で先発として起用したこの2トップ。お互い小柄なコンビながらも毎試合好機を作り、ゴールに迫っている。実際にムリキはこの3試合で2点を奪い、バーンズも得点はないが3アシストを記録している。
しかし、チームのここ3試合の戦績は1勝2敗と負け越し。FC東京は依然波に乗れていない。1st第17節の横浜FM戦(1◯0)では終盤で値千金の決勝点を奪ってしぶとく勝利したが、2nd開幕戦の前節・鳥栖戦はロスタイムに2失点を喫し、まさかの逆転負け(2●3)。5月下旬にACL敗退が決まった上海上港(中国)とのアウェイ戦(0●1)でもロスタイム弾を浴びる悔恨の敗戦劇を経験したが、Jの舞台でもその再現のような悲劇が起きてしまった。
1勝の重みを思い知らされている。ただ、鳥栖戦も結果的には3失点を喫したものの、いまのチームの拠りどころが守備面であることは、1stステージの17試合で18失点という数字からも分かる。それだけに、ここからはいかに得点を重ね、それをしっかり勝ち点3に結び付けるか。逆転負けが頭をよぎるような常にヒヤヒヤした試合運びではなく、攻撃でも相手のリズムを奪うスコア展開にしなくてはならない。
その意味でも、あらためて前線の活躍にこそ光明を見いだしたい。どんどん状態を上げているムリキは「ようやく思うようなプレーができてきた」と、テクニックを前面に押し出し敵を押し込む。バーンズはスピードと細かいタッチでしかけるドリブルで、ゴールにも向かいたい。さらに平山、前田の“9番タイプ”の奮起も不可欠。今節、彼らが躍動する痛快な勝利で、前節のイヤな空気を払しょくしたい。(西川 結城)
■ヴァンフォーレ甲府
割り切る覚悟。ラインを下げ、スペースを与えない
「お互いに最悪の状況で迎える試合。こういう状況で戦いたくなかった」。5日の練習後にこう話した佐久間監督。GMと監督の関係で、甲府で12年から3年間一緒に戦ってきた城福監督が率いるFC東京戦に向けた心境だ。年間勝点10位のFC東京が最悪の状況かどうかは甲府サイドから判断しかねるが、年間勝点17位の甲府はリーグワーストの34失点に、得点源だったクリスティアーノの柏への移籍で、攻守ともに行き詰まりを感じざるを得ない状況にある。
2ndステージの開幕戦だった神戸戦(0●3)はボールを奪う守備の割合を増やそうとしたものの、深い位置からのロングボール2本と自陣でのパスミスで3失点。「失点した場面以外はやられていない」と話した選手もいて、そこに心の拠りどころを作りたくもなるが、3失点すれば十分にやられている。
佐久間監督は、「今節は選手に無理なことは要求しない。背後にスペースを与えない。それしか活路はない」と割り切る。[5-4]の守備ブロックで低く構え、ムリキとバーンズを徹底マークする。好調のバーンズが飛び出すスペースを数で埋め、個で勝負をしかける場面を減らすという狙いだ。甲府の選手にとっては、試合ごとにライン設定や奪い方が変わることに共通意識を持てるのかという不安はある。しかし、ラインを上げて失点が減らないのなら、昨季まで結果を残して一番慣れている、下げる方向に針が振れることは受け入れて、意識をすり合わせるしかない。
ビリー・セレスキーが練習中に負傷、チュカもひざ痛のため今節の先発は日本人選手だけになる見込みだが、コミュニケーションの良さを生かして粘り強く戦うことがカギになる。(松尾 潤)