■ヴィッセル神戸
ホームの観衆の前で不退転の覚悟を示す90分
1stステージ12位という痛恨の結果を経て迎えた2ndステージ初戦、神戸は甲府に3-0で快勝した。相手の守備に助けられた面はあるが、辛抱強く90分を戦い、結果を出した選手からは好印象を受けた。
渡邉は「ニウトンが加わり、タク(岩波)も戻った。みんながチームのためにやらないとこのチームは勝てないし、上だけを見てやっていきたい」と今節への意気込みを語る。補強したニウトンの戦術遂行能力や周りとのフィット感の確認は試合まで待つことになるが、岩波のスキルは誰もが知るところ。その岩波は離脱から今週復帰し、4日の練習後には、「昨季の2ndステージもスタートは良かった。これを続けることが大事」と強調した。昨季の2ndステージ初戦、清水戦で5-0と快勝したが、最終的には降格争いを演じた。似た状況だからこそ、岩波は高い集中力で練習に合流し、士気を高めている。
鳥栖とは1st第7節で戦い0-0。変則的なシステムを採用するマッシモ・フィッカデンティ監督に対し、ネルシーニョ監督は過去にミラーゲームをしかけるなど対策を講じたが、勝利を得られていない。今節も何かしらの策を講じるか、積み上げた[4-4-2]で挑むかは大きな注目点だ。
また、昨季から一向に順位を上げられない強化部門や指揮官は、夏の補強でボランチのニウトン、左SBの橋本を獲得した。これまではすべての責任を選手レベルに求めてきたが、自らの結果責任も深く受け止めて臨む意思の表れとも言える。2ndステージは、クラブ初の戴冠を使命とする現体制の、集大成を披露する舞台と換言できる。鳥栖戦はホームの観衆の前で不退転の覚悟を示す90分となりそうだ。(小野 慶太)
■サガン鳥栖
先行される流れを止め、守備でクオリティーを発揮したい
前節のFC東京戦(3◯2)、後半ロスタイムでの2得点、特に逆転ゴールはラストプレーという劇的な勝利を挙げた。しかし、チームは冷静だ。「逆転で勝てたことは自信になる」とキム・ミヌは話したが、「内容はあまり良くなかった」と続けている。結果と内容、試合の中で起こったことに対しての受け止め方は取捨選択できている。ここ3試合中、2試合で逆転勝利を挙げていることは得点力不足に苦しんできた今季を考えれば明るい材料だが、3試合連続で先制点を許している。鳥栖の形に持ち込むためにも先行される流れをまずは止めなければならない。
対神戸で注意すべきはレアンドロとペドロ・ジュニオールのブラジル人2トップだ。「最終ラインの裏へのロングボール一つでもチャンスにするような力がある」とマッシモ・フィッカデンティ監督も最大級の警戒を示す。6日の練習でも相手ボランチが最終ラインまで下がってボールを受けた際のプレスの掛け方、選手の立ち位置を確認した。強力2トップを封じるために細部の確認を徹底している。「人は足りているのに中で捕まえ切れなかった」とGK林が言う、前節の2失点からの修正も必須だ。「集中が切れないように後ろからの準備や声掛けも大事」と林が続けたように、ピッチ内でのコミュニケーションで90分間をとおして集中力を維持する必要がある。
「ネルシーニョさんもマッシモ(フィッカデンティ監督)も守備で高いクオリティーを求める。集中力を欠いたほうが負ける」という藤田優人の言葉どおりの試合になる可能性は高い。ホームではそのとおりの展開で両者が0-0で守り切った。守備の集中力は維持しつつ攻撃の集中力を高め、神戸を打ち破りたい。(杉山 文宣)