13年の最終節(2◯0)に広島はカシマスタジアムでリーグ制覇を成し遂げた。残り2試合で横浜FMとの勝ち点5差をひっくり返すミラクルな優勝に、そしてリーグ連覇の快挙に、広島は狂喜乱舞した。その20日前にも天皇杯4回戦で対戦し、広島はカシマスタジアムで3-1の勝利を収めている。しかし、続けざまにカシマスタジアムで凱歌をあげたことによって、広島は鹿島に強い対抗心を植え付けてしまった。
翌シーズン開幕前の監督ミーティングでトニーニョ・セレーゾ前監督から全監督たちの前で「広島には絶対に勝つ」と宣言されたという森保監督は、今節を前にして「ウチが2連勝してから鹿島の選手たちがすごい気持ちを入れて戦ってくる。そろそろ忘れてくれてもいいのに」と冗談めかして笑っていたが、その言葉には本心もたっぷりと含まれている。あれから広島は鹿島にはコテンパンにやられてきた。1分4敗と一度も勝利がないだけでなく、5試合で15失点。5年目に突入した森保体制は前節までリーグ戦154試合を戦い、3失点以上を許した試合は10試合しかないが、そのうち3試合が鹿島戦だ。「そろそろ忘れてくれ」と指揮官が許しを乞う気持ちもよく分かる。
森保監督は現役時代から幾度も戦ってきた鹿島に対し、「僕はJリーグ王者だと思っている」とリスペクトの気持ちを隠さない。その相手にメラメラと敵対心を燃やされていることは光栄なことだが、やられてばかりではいられない。ここ4年で3度の優勝を成し遂げた森保監督のチームも、間違いなく王者としての資質を身に付けてきている。そろそろやり返さないといけない。
まだ2ndステージは始まったばかりだが、広島にとっては年間優勝を狙う意味で今節は落とせない。一方、2ndステージ初戦で黒星を喫した鹿島にとっても今節は落とせない試合だろう。1stステージ王者を昨季の王者が迎える今節は、“王者”のプライドがぶつかり合う激闘となることは間違いない。(寺田 弘幸)