柏は理想的な戦いも、“強かった”のは浦和
浦和のペトロヴィッチ監督は「自分のチームの出来に関して満足していない」と話した。一方で柏の下平監督は「選手たちがトライして、戦って、90分走り続けてくれたことに関しては満足している」と話した。ただ、彼らの言葉とは対照的に勝者は浦和であり、柏は敗者だった。
ペトロヴィッチ監督が主に不満に思ったのは「後ろからのボールの運びができていなかったこと」。選手たちは「最近、立ち上がりに失点もしていたからシンプルにやろうということ」(遠藤)を意識していた。加えて「向こうが前から(プレスに)来ていたので前半は我慢しようと思っていた」(西川)ことや、柏の守備が浦和に合わせず4バックのままながら中央を固めることで、「スペースがまったくなかった」(興梠)ことによって、最近よく見られる阿部が下がらずに3バックとダブルボランチのままビルドアップする形を選択。ロングボールを多用した。
一方で柏は攻撃時には両サイドが高い位置を取り、[4-3-3]または[2-5-3]とも取れる形で中谷、中山の若いCBコンビがしっかり後方からつなぎつつ、サイドや前線が積極的にしかけていった。
柏はクロスバーとポストにシュートが1本ずつ当たるなど、浦和と決定機の数にそれほど差はなかった。しかし、柏がチャンスを決め切れなかった一方、浦和は32分に阿部が素晴らしい直接FKを決め、50分には李がこちらも見事なボレーシュートを決めて確実に2点を奪った。
下平監督は「シュートの入る、入らないで試合の決着はつく」と話したが、それに加えて浦和は「勝利への気持ち、1対1の戦い、運動量、セットプレーも含めた部分は非常に良かった」(ペトロヴィッチ監督)。判断も含めて経験、試合巧者ぶりを見せた浦和と、理想的な戦いを結果につなげられなかった柏。“強かった”のは浦和だった。(菊地 正典)