慎重な愛媛、讃岐の術中にハマらず
前半に光ったのは讃岐の活きの良さだった。球際の争いで激しさを見せてセカンドボールを奪取すると、サイドを起点にして鋭いカウンター攻撃をしかけていく。良い形でフィニッシュまで行く機会こそ少なかったものの、愛媛に「カウンターの質は相手のほうがある」(木山監督)と思わせるほどの怖さを見せていた。しかし、23分に愛媛が左サイドから崩して瀬沼のゴールで先制すると、それまで機能していた讃岐のカウンターは、愛媛が“構える守備”に切り替えたことで必然的に鳴りを潜めていった。流れの中から効果的な攻撃を繰り出せず、手詰まり感が漂っていた讃岐だったが、セットプレーから打開することに成功。前半終了間際、敵陣深い位置でFKを得ると、馬場がゴール前に鋭いボールを送り込む。これに永田が合わせて1-1の同点で前半を折り返した。
試合が振り出しに戻り、両チームにイーブンに勝機が与えられた状況で、愛媛はポゼッションに注力。対する讃岐は、堅く守ってカウンターで応戦することを徹底。しかし、蒸し暑さが残るピッチ上では体力的な消耗とも戦わなければいけなかった。そんな中、先に足が止まり始めたのは讃岐。守備ではしっかり耐えるものの、カウンターの出足は鈍くなり、その精度も徐々に落ちていった。
それでも愛媛は前半に見せられた讃岐の鋭いカウンターの残像が残っていたのか、「カウンターのやり合いになると、点は取れるかもしれないけど、負ける確率も高くなる」(木山監督)と、あくまでもリスク回避のプレー。オープンな展開に持ち込もうとする讃岐の挑発には乗らなかった。しかし、石橋を叩いて渡るように慎重になるがあまり、讃岐に堅い守備ブロックを形成され、結果的に攻めあぐねる形に。そこから両チームにゴールが生まれることはなく、予定調和だったかのように引き分け決着。勝ち点1ずつを分け合う結果に落ち着いた。(松本 隆志)