勢いが止まらない浦和。9年ぶりの5連勝
これ以上ない劇的な結末だった。後半ロスタイムの4分のうち半分以上を経過した93分、ディフェンスラインの裏に抜け出した興梠が、柏木の完璧なスルーパスを受けてゴール。スコアレスドロー濃厚と思われた時間帯に決勝点が生まれた。
浦和としては決して理想的な戦いができたわけではなかった。ホームで連敗を止めるべく気持ちを前面に出して戦う仙台に対し、前半こそ試合を優位に進めたが、「完全に崩したボールの動かし方やコンビネーションは見られなかった」(槙野)。
そして後半に入ると立ち上がりから仙台に押し込まれるシーンが目立ち、仙台の渡邉監督がリャン・ヨンギに代えてウイルソンが投入した79分以降、それは顕著になる。オープンな展開になり、互いにカウンターをしかけ続ける。浦和の守備陣はハモン・ロペスとウイルソンの身体能力を生かした仙台の攻撃を必死に耐える。その光景には過去、何度も終盤に同点、または逆転ゴールを許してきた仙台の地での戦いがちらつく。しかし、一見苦しい展開の中で殊勲者の一人、柏木はこう思っていた。
「そのぶん、チャンスはあるかな」
そして87分、仙台サポーターのボルテージが上がった中で迎えたCKのピンチを立て続けに防ぐと、その直後に決勝点が生まれた。
今季の1stステージもチャンスがありながら叶わなかった9年ぶりの5連勝。そしてミハイロ・ペトロヴィッチ監督就任以降、初めてアウェイの仙台で勝利。浦和がその二つの壁を2試合連続無失点、かつ劇的な形で越えた。
ただ、素晴らしい結果ではあるが、これも一つの通過点に過ぎない。槙野は言う。「1stステージは獲れなかったけど、もう一度2ndステージに向けて目標も定まっている」。最後に頂点に立つ。浦和はそのために戦い続ける。(菊地 正典)