川崎Fが7年ぶりに首位の座に立った1stステージ第3節の名古屋戦(3●2)と同じような展開だった。後半に1-2とされるも、終盤の猛攻で逆転勝利を収める。ただ、それを呼び込んだ演者が、今回は違った。1stステージの試合では中村が二つのアシストと決勝点を記録し、追撃の狼煙を上げた同点弾は大久保だった。この日チームを勝利に導いたのは、大久保と中村の“後継者”にならねばいけない二人。言うまでもなく、小林悠と大島である。
ある日の練習後、大久保は「勝負を決めるゴールをオレ以外が取らないと」と言った。思い返してみれば、その名古屋戦に限らず、勝利を呼ぶプレーは13番や14番から生まれることがほとんどだった。だが、いつまでもこの二人に頼りっぱなしではチームとしての先は短い。“勝たせる選手”の台頭が必須であった。
そしてこの日、小林悠と大島はその役割を完全に果たした。先制された直後に見せた試合を振り出しに戻す超絶なミドルシュートも、橋本が上げた同点弾を呼ぶクロスの直前のスルーパスも大島の右足から生まれた。特筆すべきはやはり件のミドルシュート。「(車屋)紳太郎からボールをもらったが、(シュートを)打つつもりでサポートをした」と語る。大島のシーズン複数得点は4年ぶり。中村も「それ(得点)だけが足りなかった」と語っていた。
小林悠に関しては正直、この日はミスが多かった。だが、結果的に勝てたのは彼のゴールがあったからこそ。「ストライカーはマグロ漁師」と風間監督は形容するが、その貴重な“1本”を取り、それを勝利につなげられればOKなのだ。
躍動した10番と11番の活躍が導いた勝利からは、川崎Fがこの先描くであろう“未来の姿“が見えた。(竹中 玲央奈)