Photo: Norio Rokukawa
最後まで勝負が分からない好ゲームに
ダービーらしく互いに球際で激しいプレーを見せながら前半、試合を優位に進めたのは浦和だった。浦和はここ数試合と同様に相手ディフェンスラインの裏へのロングボールを多用しながら、押し込み、チャンスを作っていく。そして37分、興梠が裏に抜け出して得たFKのチャンス。ペナルティーアークやや右寄りの位置から柏木が狙うと、壁を越えたゴールはかつて浦和の正GKとしても活躍した加藤順の手の横をすり抜けてゴール右上に吸い込まれる。「壁を越して完璧なコースにいけば絶対に入るという自信があったし、アップのときに1本良いのが入ったので、その感覚も良かった」(柏木)
蹴った本人も「われながら完璧」という自画自賛のFKで浦和が先制する。 しかし、先制後は落ち着いて試合を進めようとする一方で間延びした浦和に対して大宮が押し込むと前半ロスタイム、CKから江坂が頭で決めて同点に追い付く。
後半はよりオープンな展開になると、59分に関根のクロスから武藤がゴール。浦和が再びリードしたが、68分には宇賀神が攻撃参加した際に負傷して戻れなかったスペースを埋め切れず大宮にカウンターを許してしまう。そこでボールを受けたマテウスがカットインして見事なミドルシュートを突き刺して大宮が再び同点に追い付く。
その後も一進一退の攻防が続き、互いにチャンスを迎えるシーンはあったが、勝ち越しゴールは生まれず。世界的にともすれば互いに負けたくない気持ちが出過ぎて退屈な試合になることもあるダービーだが、今回のさいたまダービーは今季J最多の観客数(53,951人)が集まった注目度に恥じないエキサイティングな試合内容となった。
ただ、試合後、両監督が「オープンになった」ことを反省したように勝ち切れるチャンスは互いにあった。それだけに結果という意味では悔しさが残る引き分けとなった。(菊地 正典)