互いに譲らず痛み分け。
ただ、浦和からすれば二度のリードを守り切れなかった試合でもある。特に悔やまれるのは前半終了間際にCKから失点したこと。遠藤が江坂に振り切られて喫した失点だが、「変な雰囲気」(西川)はその前からあった。
先制して前半の残り時間はロスタイムも含めて10分程度という状況の中、無理に2点目を奪いにいくよりは1-0で前半を終えるという意識が見て取れた。ただ、そのぶん、受け身になってしまい大宮に押し込まれた。柏木はその理由を「全体で間延びしている時間があった。前に行ったら後ろも押し上げないと」とし、「マキ(槙野)と言い合いになるぐらいだった」とチームとして意思統一できていなかったことを明かした。
一方で遠藤は「しっかりブロックを引いて最後をやらせずにしのいで前半を終わらせられれば良かった」と主張しつつ、「リーダーシップはみんなとっていたけど、その意見が違い過ぎてバラバラになった」と説明した。
意見の齟齬。それが勝利を逃した一つの理由であり大きな要因と言えるだろう。ただ、お互いが主張をぶつけ合いながら修正を図るのは悪いことではない。それは「疑問がある選手がいる中でハーフタイムで意見交換をすることは大事」(槙野)、「言い合いはしたけど、そういうのも大事」(柏木)とチーム内でも共通している。こうした意見のすり合わせを何度も行うことでチーム内の意思統一は出来上がっていく。
今後は五輪で遠藤、興梠の主軸を欠くことに加え、夏場の戦いでこの試合の前半終了間際のような場面は訪れるはず。その際に今回の“言い合い”を生かすことができれば、この勝ち点1も大きな意味を持つはずだ。(菊地 正典)