鹿島戦で見せたドゥドゥのパフォーマンスは柏に移籍したクリスティアーノに対する未練を断ち切るに十分なものだった。
180cm・75kgのサイズから1トップは厳しいかもしれないという予想もあったドゥドゥだが、植田、昌子といった鹿島のCBを背負っても、その圧力を利用して前を向くうまさと、局面を打開するテクニックは効果的だった。それに加えて守備もさぼらない。今後、相手に研究されれば抑え込まれる場面も増えるだろうが、ボールが収まり、失わない1トップの存在は甲府の攻撃に勇気をもたらす。この試合の河本のアグレッシブさはまさにその典型だった。 また、今季は守り切れずに大量失点することが何度もあったが、屈辱的な経験が意識を変えつつある。“ボールを奪いに行く割合を増やさないと守れない”。最初の失点はその意識で駆け引きした末に判断ミスをしたケースだが、失敗から学ぶことが成長につながる。佐久間監督は試合後の会見で守備のセオリーを守らなかった選手を非難したが、局面で判断するのは選手。失敗と成功を積み重ねることがチームの成長につながる。攻守は表裏一体。残り13試合なのでJ1残留への焦りは出るが、ドゥドゥの存在は前線の選手にも変化をもたらしている。これまでならバックパスをしていたような場面で前へのパスや仕掛けが増えた。
攻守の両輪のバランスがとれたとき、甲府は世間様の順位予想を裏切れるはずだ。(松尾 潤)