群馬にようやくスイッチが入ったのは、北九州に2点目を奪われた85分からだった。マテウス、小林ら途中出場の選手が攻撃にアクセントを加えると、2点リードによって守りに入った北九州に総攻撃をしかけていく。87分、瀬川のシュートのこぼれ球を山岸が豪快に蹴り込み1点を返すと、さらなるアタックを続けていく。
そして同点ゴールが生まれたのは、後半ロスタイム。マテウスのシュートをGKがはじいたボールを、小林がジャンピングボレーで突き刺して土壇場で同点に追い付いてみせた。勢いに乗った群馬は最後まで逆転ゴールを目指したが、3点目は奪えず無情のタイムアップ。松下は「追い付いたことは評価できるが、勝たなければいけない試合だった」と複雑な表情を見せた。群馬は、北九州の消極的な戦いに救われ、痛み分けでゲームを終えた。
選手の意地によって、敗戦濃厚な試合をかろうじて引き分けに持ち込んだ群馬だが、今節の結果によってチームは最下位に転落。服部監督は「いまは上だけを見て一つひとつ戦っていくしかない」と気丈にふるまったが、危機的状況を迎えていることは間違いない。無責任なフロント、冴えない戦略、整わない戦力…。低迷の要因が一つでないことにチームの深刻さがある。クラブ全体にメスを入れなければ、悲劇は確実に迫ってくる。(伊藤 寿学)