■鹿島アントラーズ
ポイントは4試合で8失点の守備
前節・甲府戦、3-3の引き分けだったにもかかわらず、試合後の記者会見で、石井監督は思わず「今日の敗因」と口にした。だが、それは鹿島に関わる誰もが思ったことだろう。負けに等しい内容に、勝ち点1を拾えたことを幸運と捉える選手もいた。
選手は誰も認めようとしないが、甲府戦は明らかに疲れていた。3連戦の3戦目。選手を入れ替えながら戦いコンディションに気を配ったが、それでもクオリティーを保てなかった。単純なミスから3度も失点を繰り返す。その姿に1stステージ覇者の面影は感じられなかった。
チームは試合が終わったあとそのままバスで鹿嶋へ移動。到着したのは午前2時。翌18日の午後からソシオ会員を対象にしたイベントを実施し、19日をオフにして英気を養った。しかし、オフ明けの練習では、まだ重たさが残っていた。U-23日本代表に植田、櫛引、U-19日本代表に垣田、町田が招集されて彼らがいないチームはどことなく活気がなく、金崎も甲府戦同様、精彩を欠いたままだった。
それでも、眠ったまま試合に臨むことは100%あり得ない。スタジアムが紅く染まり、浦和という相手が目の前にいれば、自然と闘志は湧き上がる。
攻撃陣は、3試合連続得点中の中村を中心に、好調を維持する。ポイントとなるのは守備だ。ミーティングでは、4試合で8失点と、1stステージの17試合10失点が嘘のように崩れている守備について再確認を図った。
「お互いに無責任になったところで失点している。他人任せにしていたら、浦和みたいなチームには絶対に勝てない。チームのために、という姿勢を取り戻さないといけない」
植田不在の間、守備を預かる昌子は、1stステージで持てていた意識を、もう一度チーム全体で取り戻すことを訴えていた。(田中 滋)
■浦和レッズ
五輪組の欠場をプラスに転じられるか
ダービーに続く「大一番」(李)。今回の鹿島戦は浦和にとって「超重要な試合」(森脇)だ。
2ndステージの成績では浦和が上を行くが、年間勝点では鹿島を勝ち点3差で追う3位。勝利すれば勝ち点で並び、敗れればその差は6ポイントに広がる。その差は大きく、6ポイントの価値がある試合と言っても過言ではない。その価値はもちろんのこと、わずか6週間前のホームでの対戦(1st第15節)は完敗とも言える0-2の敗戦を喫した。しかもただ負けただけではなく、その敗戦により1stステージ優勝の可能性がほぼついえてしまった。それだけに「アウェイではしっかり借りを返したいという気持ちが強い」(森脇)。 チームは駒井やズラタンなど負傷者が戻ってきてはいるが、リオ五輪に出場する遠藤と興梠をこの試合から欠くことになる。ディフェンスラインの中央にはJ1・1st最終節・神戸戦(3○1)からDFの負傷欠場や出場停止が続いて3試合連続で出場した那須が入ることが濃厚。前線は20日、21日ともにシャドーに梅崎が入り、1トップは20日に李、21日にズラタンが入る形をテストした。
梅崎が「(興梠)慎三がいなくなったから負けたとは言わせたくない」と言えば、高木は「メンバーが代わることはモチベーションになるし、特に前線の選手は『ここで結果を出せば』という気持ちになっている」と意気込む。遠藤と興梠を欠くことは痛手だが、それをチームとしてどうプラスに転じさせることができるかは、「シーズン終盤を戦っていく上でも非常に必要な要素」(梅崎)。ここでチーム内の競争に火をつけられるような選手の出現に期待したい。
チームの主軸を欠いた状態でも「いま、日本一の相手」に対して結果を得ることができるか。そして一度やられている相手に対してしっかりリベンジを果たし、2ndステージ優勝と年間勝点1位に向かえるのか。真価を問われる一戦だ。(菊地 正典)