ここ最近の川崎Fは“大島僚太のチーム”と言っても過言ではないほど、背番号10の存在感が際立っていた。特に、中村不在時にはいつにも増して攻撃への意識が発揮され、決定的な仕事も連発。1st第16節の福岡戦(2△2)で2得点に絡み、2nd第4節の新潟戦(3◯2)では見事なミドルシュートを決めた。その新潟戦の試合後には「すでにチームに欠かせない存在」と中村も語っていたほどだ。
そんな大島が、リオ五輪で長ければ1カ月もチームを離れる。かねてから分かっていたことではあるが、それに加え中村も2nd第2節の名古屋戦(3○0)で負傷し、離脱した。今年の夏は、チームの心臓が二人不在という状況を誰もが覚悟していた。
一時的に失った二つの心臓の代役を誰が務めるかという部分が大きな争点だった。「自分もどうなるか分からない」と谷口も“ボランチ起用”に対する準備をしていたのだが、ここに来て意外な形で答えが出そうだ。
それが、中村の復帰である。右足関節ねん挫などで全治3〜4週間という診断を受けた中村だが、負傷をしてから約10日後の20日に全体練習へ復帰。「決して焦ってはいない」と本人は口にしていたが、それも強がりではないようで、翌日の紅白戦では終始、主力組でプレーした。このタイミングでの復帰については風間監督も「予定どおり」だったと言う。ボランチに谷口が入り、中村をトップ下で起用する形も試されていたが、いずれにせよ、週末のピッチに背番号14の姿があることに間違いはなさそうだ。
今季、これまで圧巻のプレーを披露してきた中村。そこからは遠い状態にいることは言うまでもない。とはいえ、速いテンポで行われる川崎Fのサッカーで長らく中核を担ってきた彼がピッチに存在すること自体に大きな意味がある。(竹中 玲央奈)