その日、ヤマハスタジアムは惨劇の場と化した。4月16日、J1・1st第7節。ホームに横浜FMを迎えた磐田は、前半早々に失点するとその後も次々にネットを揺らされる。1点を返し、1点差に迫っても、相手の集中砲火はやまなかった。1-5。今季最多失点を喫し、サックスブルーは敗れ去った。
中村俊輔、齋藤という2大エースを止められなかったばかりか、彼らの利き足にボールを持たせないための守備の工夫もなかった。厳しく奪いに行けば難なくいなされ、躊躇すれば今度は容赦なく突破された。チームとしての守備ができなければ、最終ラインやGKにできることも少なくなる。磐田が懸命に戦っていたのは間違いないが、時間の経過とともに思考停止に陥っていったようにすら見えた。
「ホームでやったときは何も考えずにボールに(プレスに)行ってしまい、2人、3人と置いていかれるシーンが多かった」
前回対戦は左SBだったボランチの宮崎はこう述べる。完膚なきまでに叩きのめされただけに、修正すべき点も明確なのは救いだろう。ポジションニングを常に微調整し、奪いどころをチーム全体で共有する。何より、相手を自由にさせないことが重要だ。
あの惨劇以降、磐田はリーグ戦14試合を戦った。その成長をぶつけなければならない。横浜FMが2ndステージ首位を走っていようと関係ない。彼らに勝利することでしか、苦い記憶は払しょくできない。(青木 務)