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アジア最終予選の戦いで引き出しが増えた
――原川選手はU-16日本代表から継続的に年代別代表に選ばれてきましたが、リオ五輪についての思いは?
「高校で代表に選ばれたときから『リオ世代だ』と、ミーティングなどで言われてきたので、常に大きな目標として持っていました。ただ、いまは意外と、そこまでピリピリする感じでもないですし、案外冷静にいまを迎えられているなと思います」
――以前、「仮に五輪メンバーに選ばれなくてもサッカー人生が終わるわけではないし、選ばれたとしてもそこからA代表にいけないこともある」と言っていたのが印象的です。強いメンタリティーだなと感じました。
「性格が適当なだけです(笑)。メンタルが強いと言うんですかね? 周りのこととかも、あまり気にならないタイプです」
――すると、後半ロスタイムに決勝ゴールを挙げてリオ五輪出場を決めた、1月のアジア最終予選準決勝・イラク戦(2◯1)も、そこまでプレッシャーはなかったのですか?
「よくあの試合のことは聞かれますけど、あまり周囲からの圧力が入ってこなかったというか。もちろんあれは僕がサッカーをやってきた中で1番大事なゴールだったと思いますけど、あれが入ったからといって急にうまくなるわけでもないですし。それよりも、決勝の韓国戦に勝てたことのほうがうれしかったです」
――これまで何度も世界への扉を閉ざされてきた、イラクが相手でも?
「そういったプレッシャーよりも、チームの一体感や勢いのほうが強かったです。試合に入ったときはそのことは全然考えませんでした。相手どうこうというよりも目の前の試合だと。そういうことでメンタル的に研ぎ澄まされていたのかなと思います。でもやっぱり韓国戦が一番でした。アジア1位で日本に帰るのと2位で帰るのは全然違ったので」
――チームの雰囲気はどうでした?
「すごく良かったと思いますし、手倉森監督がローテーションでいろいろな選手を使ってくれていたぶん、みんなモチベーションが高かった。僕らも誰が出るか分からなかったので、一人ひとりが良い準備をし続けることができました。それに、誰が出ても勝っていたので、全員が達成感を感じることができていました」
――その良い雰囲気の中では誰が中心になっていたのですか?
「僕ら(93年生まれ)の一つ下の代ですね。拓(岩波・神戸)もそうですし、(南野)拓実(ザルツブルク)とか、(室屋)成(FC東京)もそう。(最終予選にはいなかったが)金森(福岡)もですね。アイツらが元気なんですよ。一つ上の航くん(遠藤・浦和)とか僚太くん(大島・川崎F)はどちらかというと受け身な感じなので。バスでは94年組が後ろに座るんですけど、いつもうるさいですよ」
――「この世代は五輪出場が難しい」と言われてきましたが、そこのプレッシャーは?
「そのプレッシャーはとてもありました。初戦(北朝鮮戦・1◯0)なんか、みんなかなり硬くて。ベンチから見ていてもそれは分かるし、ベンチに座っていてもプレッシャーを感じましたから。でも、そこで勝って一つふっ切れたことで落ち着けたのが良かったです。初戦が一番大事ですからね。5月のトゥーロン国際大会は初戦で負けてしまってその後、流れに乗れませんでした。最終予選はアジア仕様というか、サッカーだけどサッカーではないというか、ボールが頭の上を通っている時間も多かった。いつもやらないことをやっているというか。ボランチがCBに吸収されたり。そういう意味で普段のサッカーとは別物だったので自分の引き出しが増えた感覚はあります」